非公式のレート戦に権威を持たせすぎたことの問題点と影響

コラム

シャドウバースの競技シーンにおいて、非公式のレート戦は長らく実力を示す指標として機能していました。しかし、最近ではその影響力が大きくなりすぎたことで、いくつかの問題が発生していたように思います。


1. 非公式のレート戦がプロリーグ参入の評価基準になったこと

本来、プロリーグは公式大会での実績をもとに選手を選抜するのが望ましいはずです。しかし、近年では非公式のレート戦での成績がプロ選手の評価基準になり、そこからプロリーグに参入する選手が増えました。

この影響として、
公式大会で結果を残していないプレイヤーがプロになりやすくなった
プロシーンの新規選手が、視聴者や他のプレイヤーにとって認知されにくくなった
「レート戦で強い=プロに相応しい」という考え方が定着してしまった

プロシーンは、本来であれば「公式大会での活躍や実績を積んだ選手」が参入することで、競技の正当性や視聴者の関心を集めるものですが、レート戦を重視しすぎたことで、競技の透明性が損なわれた可能性があります。


2. レート戦の「正解」が競技シーンを硬直化させた

私は配信活動を行っている中で、「非公式のレート戦での主流なデッキ構築やプレイが正解と捉えられてしまい、自由な構築で楽しめなくなった」 と感じました。これは多くのプレイヤーに共通する課題だったのではないでしょうか?

レート戦の「最適解」がプロシーンでもそのまま採用される
自由なデッキ構築やメタの多様性が失われる
レート環境に適応できるプレイヤーだけが評価され、独自性が発揮しにくくなった

本来、カードゲームの競技シーンではプレイヤーごとの戦略の違い独自のプレイスタイルが注目されるべきです。しかし、「レート戦で強いデッキ=プロでも正解」 という空気が出来上がることで、デッキの多様性が失われ、競技シーンが硬直化してしまったのではないでしょうか。


3. レート戦の匿名性と不正の問題

レート戦では対策されないようにするために、全員が「(あ)」という名前を使うのが常識化していた という点も、競技シーンとしては疑問が残る部分です。

誰がどのプレイヤーなのか分からないため、注目度が上がりにくい
公式大会で活躍していないプレイヤーが、突然プロとして登場することに違和感がある
非公式の環境では不正が蔓延していたため、公正性が保たれていなかった

「レート戦で実績を残したプレイヤーが、名前を変えてプロになった」というケースが増えると、
👥 視聴者から見て「誰なのか分からないプロ選手」が増える
不正が疑われる環境からプロに入ることで、競技の公正性が損なわれる

などの問題が発生し、プロリーグ全体の権威が低下するリスクを抱えることになります。

3. 不正の温床になりやすい

非公式のレート戦は、公式の監視がないため、不正が行われても対策が十分に機能しない という大きな問題があります。

特に、画面共有を使った「ラジコン行為(指示を受けながらのプレイ)」 や、
特定のプレイヤーと対戦を避ける、狙う、トス行為「マッチング操作」 など、
競技性を歪める不正が横行していました。

そして遂に、プロ選手が不正で大炎上する事件が発生

2023年1月、プロチームに所属する選手が、画面共有を用いて第三者からプレイ指示を受ける不正行為 を行っていたことが内部告発により発覚しました。
この事件は、非公式のレート戦の問題が、プロシーンにまで波及した典型例 とも言えます。
この事件はJCGで起こった事案ですが、非公式のレート戦でもたびたび不正の話は聞いていましたし、むしろJCGより高頻度で多発していた可能性が高いと考えます。

ただし、このような「ラジコン行為」は発覚したのがたまたまであり、氷山の一角にすぎない可能性が高い です。このような不正が裏で蔓延していたことは薄々ユーザーは感じていたと思うんですよね。だからその鬱憤もあり滅茶苦茶炎上した。
🔗 参考記事: 蔓延る不正について
🔗 参考記事: プロ選手の不正行為が発覚
🔗 参考記事:SV:2Pickレート第7期前半戦で上位者の不正が発覚


4. まとめ – 非公式のレート戦に依存しすぎた影響

非公式のレート戦が競技シーンに与えた影響を総括すると、
プロリーグの選手選考基準が曖昧になった
デッキ構築やプレイの自由度が減り、硬直化が進んだ
匿名性が高く、視聴者がプロ選手を認知しにくくなった
不正対策が十分でない環境が評価基準になってしまった

この結果、競技シーンとしての公正性やエンタメ性が低下し、シャドウバース自体の衰退につながった可能性があります。

今後、競技シーンを活性化させるためには、
公式大会の実績を重視し、プロリーグの選手選考基準を見直す
非公式のレート戦に依存しすぎない環境を作る
デッキの多様性を尊重し、自由なプレイスタイルを認める風潮を作る
不正対策を徹底し、公正な競技シーンを維持する

こうした改革が必要なのではないでしょうか。

参考

はえー氏 Cygames「シャドバ難しくしたら人居なくなっちゃった;;」

Cygames「シャドバ難しくしたら人居なくなっちゃった;;」|はえー
こんにちは はえーです。 自己紹介をさせていただきますと、Shadowverseでレート1位取ったり、TFTチャレンジャーになったことがあります。 私はこの2つの実績をもとにShadowverseが運ゲーという誤解を解かせて行きたいと思いま...

コメント

タイトルとURLをコピーしました